家庭内別居

定年後、何もすることがなくなった夫が、

昼間からリビングでテレビばかり見続け、

声をかけても返事もしないような状態を、

「産業廃棄物」と呼ぶそうです。

 

いわゆる「粗大ゴミ」と呼ばれる状態のこと。

他にも、「亭主在宅症候群」、「主人在宅ストレス症候群」などと散々な言われようです。

 

こんな状態の夫に毎日家に居座られては、妻が離婚を考え出すのも無理はありません。

 

それに加えて、最近は「わしも族」なんていうのが増えているのだそう。

妻が出かけようとすると、「わしも行く」と子どものように、

女房の行くところに金魚の糞が如く付いて行くのです。

 

その様子が女性にうっとうしがられて、払っても払っても落ちない「濡れ落ち葉」に例えられることも。

 

さらに、ついてくるだけならまだしも、買い物するにも横から口をだしてきたり、

「早く帰るぞ」なんて言い出すような男に付きまとわれたら、誰だって嫌になるでしょう。

 

妻が離婚の意志を固めると、まず最低限の家事しかしなくなり、

そのうち1人で二階に暮らすようになります。

 

口もきかず、食事は生活費をもらっているので一応は作るものの、一緒にはたべません。

もう完全に家庭内別居です。

 

こうなってもまだ、夫は本気で考えようとはせず、

自分にたてつく妻に腹を立てているだけということも多いのです。

 

要するに、夫は本当に妻が離婚したいと言っているのが信じられないのです。

「あの生活力のない妻が、離婚なんかできるわけがない」と、たかをくくっているのです。

 

それに夫は、妻の言う離婚理由が本当に理解できないのです。

「不自由なく食べさせてやっていれば、文句はないはずだ」という思い込みがあり、

離婚の原因が浮気やギャンブル、借金などでなければ、妻から離婚届を突きつけられても、

夫にとっては本当に身に覚えがないなんていうことにも。

 

でも実際には、妻の愛情はとっくに冷めていて、それまで溜まりに溜まっていた不満が爆発し、

目の前に離婚届を突きつけられることになるのです。

 

しかし、それでも夫が本気で離婚を考えるようになるのは、

妻が家を出て完全に別居するか、離婚訴訟を起こしてからです。

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