私の祖母(現在88歳)には、2匹の犬を飼っていた時期がありました。
犬を飼うということは、自分にとって、新たな家族が出来ることでした。
1人で悶々と毎日を過ごすよりも、心を通わせ合える家族が傍にいることは、
毎日の生活に充実感をもたらします。
2匹は、祖母にとっては、なくてはならないパートナーでした。
とても建設的なお話なのですが、残念なことに祖母は、
彼らを里親に引き取ってもらうことを余儀なくされました。
この記事では、このことについてお話します。
2匹を手放すことになった理由は、世話に飽きてしまった、といった自分本位の理由ではありません。
祖母は、気づいたときには年齢的に犬の散歩に負担を感じるようになっていたのです。
散歩中に大怪我をしてしまったならば、犬にも心配をかけてしまいます。
入院でもしたら、お世話の続行は更に難しくなるでしょう。
また、祖母は独居なのですが、家の中で急に自分が倒れた時、
2匹を面倒見る人はいなくなり、2匹が餓死してしまうことも、避けなければなりません
(祖母の家は田舎で、一番近い近所でも歩いておよそ10分かかります。
これは私の場合ですので、祖母の年齢ですと、異なるかもしれません。)。
犬のほうが自分よりも長生きするだろうという憶測は、とても合理的な考えなのです。
また、仮に犬のほうが先に天国へ行くとしても、問題があります。
それは、喪失感です。
祖母は、これ以上、周囲の誰かが天国へ行ってしまうことの喪失感を味わうことは、
避けるべきなのかもしれません。
仮に、2匹を看取ったとして、今後の自分自身を想像できるでしょうか?
更に祖母自身の寿命を短くしてしまう結果になるかもしれません。
このように、複合的な年齢という「時間」の問題から、手放すこととなりました。
看取ることとに比べれば、里親に預けて、その家で元気で暮らすことが出来るのなら、
それが2匹のためです。
これが、祖母にとって、より良く現実的な選択だったのです。
ある時、私が祖母の家に行った時には、既にこの選択を決行してしまっていました。
私は、2匹が急にいなくなってしまって、寂しい気持ちを強く感じました。
ですが、この、勇気ある祖母の決断は、とても合理的でした。
合理的過ぎるというくらいに、あまりにも現実的なものでした。
現在、祖母は健在ですが、敢えて2匹の安否を知らないことが、元気でいる秘訣でしょう。
いずれまた、天国で再会すれば良いのですね。
皆さんは、いかがでしょうか?
老後にペットをお飼いになるご予定はありますか?
決して私自身は、老後にペットを飼うことを反対しているわけではないのです。
私自身、このことに対して、良いも悪いも付けられません。
皆さん一人一人のご判断です。
私の祖母の経験が、皆さんの、ペットを飼われる際のご決断の参考になれば、心から幸いです。