老人保健施設

老後の住まいを考えるようになったら、

「早いうちから高齢者向けの住宅や施設に

入ったほうが安心」という考え方もあります。

 

これなら住み替えが1回で済み、健康管理や防犯など、

多くの心配から解放されるというメリットがあります。

 

その入所先の候補の1つが、老人保健施設です。

 

老人保健施設に入所して、風邪や体調が悪くなった場合は、

医師が施設に一人は常駐しているため、

施設内で診察・処置をしてもらうことになります。

当然、処方、投薬、点滴といった医療行為が含まれます。

 

老人保健施設は、いわば介護保険の施設でありながら、

基本的な医療費が施設利用費の中に含まれているパック料金制といえます。

 

とはいえ、そこまで高度な医療が受けられるわけではなく、

施設の常勤医は専門医ではありませんし、医療設備もないため、

専門性の高い病気は外の病院を受診する必要がでてきます。

 

老人保健施設と特別養護老人ホームの違いは、入所期間やリハビリをおこなうか否かと共に、

基本的な医療費がパック料金として施設利用費に含まれるか否かです。

 

 

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは非常に人気が高いため、

入所希望の手続きを行なってから数年待ちということはザラです。

 

なぜなら、長期入院とならない限り、終身入所できる施設なので、極めて需要が高いためです。

家族にしてもると、次の受け入れ先を見つける必要がなく、安心できるという点も大きいでしょう。

 

以前は申し込み順で入所が決定されていましたが、

2003年以降は家庭環境や本人の状況等を考慮して、

優先度の高い順に入所できる仕組みになっています。

 

そのため、入所申し込みは要介護度1から可能ですが、

このような人々の入所はかなり難しいといえます。

 

しかし、もし病気を患い、入院することになった場合、

特別養護老人ホームは退所しなければならないのでしょうか。

 

入院期間が3ヶ月以内であれば、多少の時間は要するかもしれませんが、

改めて入所手続きをせずに優先的に施設へ再入所することができます。

 

しかし、それを超えてしまえば、完全に退所となり、最初から申し込みをしなければならず、

再度、数年待ちということになってしまいます。

しかし、特別養護老人ホームの退所理由は、圧倒的に亡くなった場合が多く、

明らかに老人保健施設とは異なります。

いわば終の住処と言えるのです。

 

 

食費と居住費は保険外

特別養護老人ホーム等の食費や居住費は基本的に保険は適用されず、自己負担となっています。

具体的には利用者の所得に応じて、毎月平均1~3万円の自己負担があり、

個室となるとさらに大きくなります。

 

居住費が保険適用外となった大きな理由は、

在宅介護者と施設入所者との公平性を図るのが目的です。

 

以前は施設に入所してしまえば、毎月4万~5万円で生活できました。

それに対し、在宅介護の高齢者は、光熱費や食費、家賃といった住居費の負担が必要になり、

施設に入所するより逆に経費がかかってしまいます。

 

そのために、施設における負担を増やして、その差を埋めたのです。

これにより、ショートステイやデイサービスでも、

一時的に施設を利用することになるため、食費などは自己負担となっています。

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