成年後見制度

人は高齢になるに従い、身体能力や判断能力が衰えていくものです。

 

今まで当たり前のようにできていたことが難しくなったとき、

もし親族や知人をアテにできなかったら、

自分の財産管理や契約ごとなどはどうすればいいのでしょうか。

 

そこで公的な制度として、成年後見制度というものがあります。

今までは、判断能力の衰えた人の支援は家族が担うべきものと考えられてきましたが、

今や成年後見制度等の様々な援助を利用するのが当たり前になってきました。

 

成年後見制度は、この10年の間に、大変利用しやすくなりました。

成年後見人に選ぶことのできる人も、親族以外の第三者が増えつつあります。

 

 

法定後見制度と任意後見制度

この制度には大きく2つに分けて、法定後見制度と、任意後見制度があります。

 

法定後見制度は、本人の判断力が欠けている、もしくは不十分な場合、

親族などの申し立てによって家庭裁判所が後見人などに、

その財産管理を任せることを法的に認めるものです。

 

ただし、本人の状況に応じて任される権限が異なり、

例えば本人の判断力が完全に欠けているとなれば後見人という立場が想定され、

ほぼ全ての契約行為が後見人に委ねられます。

しかも、本人が行なった行為を後見人が取り消すこともできます。

 

また、本人の判断力が著しく不十分な状況では、保佐人、

判断力が不十分であれば補助人といったように、

これらに委ねられる権限が、本人の判断力の度合いによって変わります。

 

これら後見人などを決める際に少なくとも10万円以上の費用が必要になり、

決定するまでに約4ヶ月かかります。

さらに、親族以外が後見人などに選任された場合、

毎月、報酬を支払わなければならなくなります。

 

もう一つは、任意後見制度という仕組みがあります。

これは比較的お金に余裕のある人で、

まだ判断力が十分にあるうちに、もし認知症などになった場合に備え、

あらかじめ自分の選んだ代理人に財産管理等を依頼するものです。

 

手続きとしては公証人が自分の意思に基づいて代理権の範囲などを確認し、

代理人との契約を公正証書によって作成します。

 

財産のある人は、自分が認知症などになったときのことまで考えておかないと、

安心した老後は暮らせないのかもしれません。

 

 

申し立て費用が負担できない場合

後見人の申し立て費用や報酬を支払うことができない方のために、

自治体では様々な工夫がされています。

 

その一つが、成年後見制度利用支援事業です。

 

この制度を利用すると、申し立て費用の他、後見人等の報酬の一部について

助成を受けることができます。

 

ただし、予算の問題から、条件に当てはまる必要があります。

その条件とは、介護保険サービス又は、障害者福祉サービスを利用している、

又は利用しようとしている高齢者。

もしくは、重度の知的障害者又は精神障害者であること。

 

詳しくは、市区町村にお問い合わせ下さい。

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