持ち家に住み続けたい高齢者は約7割。
しかし自宅で住み続けるためには、老後対応の住宅設備と、
生活、介護支援の両面が必要となります。
例えば、ハード面の住宅整備では、元気なうちに自宅を改修し、
トイレや階段に手すりをつけたり、家の老朽化にともなって
水周りに不具合が出てくる浴室、トイレ、キッチンをリフォーム、
あるいは耐震改築をするなど、家の状態や予算によって考える必要があります。
ソフト面の生活・介護では、市区町村の高齢者サービスや、
近隣で利用できる自宅介護支援サービスを調べておきます。
困ったときに助けてもらえるよう、近所の人間関係も大切になります。
バリアフリー工事をするなら専門の業者を探しましょう。
市区町村の高齢者住宅相談窓口で業者のリストをもらって、
実績のあるところを何社か選んで、見積もりをもらって検討するといいでしょう。
リフォーム資金が足りないときは、市区町村の高齢者住宅整備資金貸付制度や
住宅改修助成事業などの担当部署で相談しましょう。
住み替えを考えた時は
老後の住み方のひとつ、元気なうちの住み替え。
そんなときに考えることは、家を売るか、貸家にするかどうか。
しかし、家を手放すには、様々な難関があります。
まず更地化。
家屋は築20年以上になると評価額はほぼゼロなので、
家を解体して更地にし、土地自体を売るのが普通です。
それだけで150万円程度の資金は必要になるでしょう。
しかも、土地価格は下落する一方。
運良く売れても、土地を売れば税金をがっぽり取られてしまいます。
そこで、貸家にしようと考える人も少なくありません。
貸家にすれば、不動産所得が入りますし、固定資産税や修理費用も控除されます。
住み替えをしたいというシニア世代の住宅を、
子育て世帯支援として活用しようというマイホーム借り上げ制度というものがあります。
これはシニアの一戸建て、共同建て、マンションなどを
相場の80%の家賃で借り上げ、一般より安い家賃、
しかも敷金・礼金なしで子育て世代に賃貸するというものです。
住み替え先としては、交通の便のいいマンションや、優良老人ホームなどのケア付き住宅、
あるいは、田舎暮らしや海外ロングステイなどから選ぶといいでしょう。