老後の親の暮らしを見て

核家族化による一人暮らしの高齢者が急増しているのは、

もはや歯止めが聞かない現代社会の問題だと感じています。

 

実際に私もそうですし、他の親戚や知人を含めて、

多くの子どもが就職や結婚を機に生まれ育った実家を離れて、新たな土地で生活し始めています。

 

その中で親たちは、いずれは夫婦のどちらかが亡くなり、一人で生活せざるを得なくなるのですが、

肉体的、精神的、経済的にも苦しい状態に立たされるケースも少なくないと思います。

近くに子どもや親戚がいて支援が受けられればまだ良いのですが、ある程度遠方だとそうはいきません。

 

私の母親は65歳、栃木県に現在戸建の家で暮らしています。

父は2年前に他界。

一人娘の私がちょうど結婚を決まった矢先の事でした。

 

父は中小企業の建設会社の社長をしておりました。

しかし、ある従業員とのいざこざで訴訟を起こされてしまい、

会社の借金もなかなか返せず、結局そのまま病気に罹って

退職金なしで仕事をやめざるを得なくなりました。

 

病気に罹った父は、母の献身的な介護の甲斐無く他界してしまい、

母は精神的なダメージが大きかったと思います。

私は一時は結婚をやめようかと思いました。

父や母たっての願いだったためにやめることはせずに嫁いでしまいましたが、

今では夫が転勤族のため遠方に住んでおり、毎日母の暮らしを心配しております。

 

母の今の一番の問題は年金と生命保険や貯金の切り崩しの生活です。

結局、父の会社から退職金がもらえなかった事が大きかったと思います。

遺族年金は月に13万。

そこから葬式費用などがかかって手元に残ったのは500万ほど。

 

ローンは終わっているので、家賃は特にありませんが、築20年近い戸建ですから、

いろいろな所が故障したり壊れたりして工事費で数十万かかる事もあります。

明らかに数年で底を尽きていまうのが目に見えていて、

本人もこれ以上生きていても面白いこともない、とマイナス思考に陥っているのが現状です。

 

また、外出は車移動をしていますが、最近は道を間違えたりすることも増えたといいます。

認知症ドライバーの急増もメディアで多く取り上げていますが、

母がもしも事故を起こしてしまったら・・・という不安に思うことがあります。

といっても、膝関節症であまり歩くこともできないですし、

地方ですから家からお店や病院までの距離は車がないときついのです。

 

年を追うごとに体は弱くなり、使えるお金も減り、

どんどん追い詰められていくような気持ちでいる母を見ていると、心配はつきません。

 

私は今1歳の娘を子育て中の専業主婦で、二人目の妊娠待ちです。

子どもがある程度大きくなれば、働きに出て少しでも本人の生活を支えられればとは思っています。

一番いいのは同居して暮らしを支えることなのでしょうが、

やはり夫には単身赴任をしてもらわないといけなくなるためそれも悩むところです。

 

こういったケースの方は全国で何人もいると思います。

中でも、一人で暮らす親を呼び寄せて一緒に住むという事もあると思います。

しかし、長年住んできた土地を離れるということは、

高齢者にとっては多くのストレスを感じるのではないかと思います。

実際に呼び寄せて一緒に同居したら、親がうつ病になってしまった、というケースも聞いたことあります。

 

老後の生活、自分のパートナーが他界したらどうするか?

自分の世話を誰が見れるか?年金は?いくら積み立てるべきか?

若いうちから本当によく考えていかなくてはいけないなと思います。

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