夫が定年になったら、離婚したいと考えている妻が増えています。
あるいは、定年まで待たないで、
子どもが独立したら離婚するという妻もいます。
夫には、「不貞や暴力、借金」といった、典型的な離婚理由はないにも関わらずです。
これを熟年離婚と呼んでいます。
しかし、60歳近くになってから離婚したら、その後の生活はどうするのでしょうか。
家にいた熟年女性が働こうとしても、今さら働き口は見つかりません。
それまで夫婦そろって老後を迎えるつもりで財産を蓄え、管理してきたのに、
離婚となると、夫も妻も、その後の生活設計や財産管理の方法を変えざるを得なくなります。
妻は、これからは経済的に自立していかなければなりません。
そのためには、離婚に際し夫から受け取る財産分与や慰謝料が大きくものをいいます。
一方、夫の方は、妻に出ていかれて一人暮らしとなり、生活面で自立を迫られることになります。
そればかりか、妻に財産分与が認められれば、当てにしていた財産が大幅に減ります。
経済的にも苦しくなって、老後の生活を大幅に見直す必要がでてきます。
このように、熟年離婚は、夫婦双方に大きな犠牲を強いることになります。