離婚の理由は数え切れないほどありますが、
熟年離婚の場合は、
寝たきりの夫の介護など考えられない、といったことや、
夫と一緒のお墓に入りたくない、
といった理由を挙げる人もいます。
籍を抜いて、他人として生きていきたいという想いが、
離婚の原動力となるのでしょうか。
夫婦の話し合いで離婚を決められないときには、
家庭裁判所に調停をお願いする方法があります。
調停の正式な名称は、夫婦関係調整調停です。
この夫婦関係調整には、円満調停と、離婚調停の2つがあります。
円満調停のほうは、夫婦の関係が悪いので、
元の円満な関係に回復したい、という話し合いの場として調停を利用できます。
一方、離婚調停は、夫と話し合っても解決策がまとまらなかったり、
話し合いすらできないときに利用できます。
離婚だけでなく、離婚後の親権や養育費、財産分与や年金分割、
慰謝料についての財産問題も話し合うことができます。
調停の特徴は、調停委員という第三者が間に入って、
話し合いが進められる点です。
しかも当事者同士は顔を合わせず、
それぞれが調停委員に事情を説明することで
話をすり合わせていきます。
待合室も別々になっているので、夫婦で顔を合わせたくない人でも
安心して利用することができるでしょう。
さらに決定した内容は公正証書としてまとめてくれますので、
財産分与や養育費の支払などが確実に実行されます。
これだけ内容の充実した調停ですが、
費用はたったの2000円程度です。
夫婦間で離婚の話がまとまらない場合は、
一度利用してみることをお勧めします。
ただし、調停離婚を申し込んでも、夫婦の片方が呼び出しを無視するようなケースでは、
1年以上も時間がかかることもあります。
そして、調停とは、あくまで話し合いの場ですから、
調停ではらちがあかないといった場合は、
最悪、裁判離婚の覚悟が必要となるでしょう。