高校を卒業して就職し、給料から年金が天引きされ始めた頃
「老後生活」は遙か未来のことだと思っていました。
まだ50年以上もある、そのうちに結婚して、子どもを産んで、
ごく平均的な生活ができるはず-と考えていました。
給料明細の天引金額を見て「こんなに沢山引かれるのか…」と思いつつも、
それがもたらす未来についての自覚は、あまりなかったというのが正直なところです。
何度か転職し、社会保険を抜けたり、入ったりしました。
現在は国民年金に加入しています。
国民年金をかけるようになると、年金というものに嫌でも注目せざるを得なくなります。
あらかじめ給料から天引きされて、振り込まれるのではなく、
自分で現金をもって納付しなければならないのです。
収入と見比べて「高過ぎる」と何度思ったことか。
減免申請をして少しはほっとしたものの、いずれもらえる金額に影響が出てきます。
追納しても追いつかない現実に「どうせもらえないんだから、いいや」と投げやりな気分になったこともあります。
とはいうものの、この年になると「老後」は他人事ではありません。
ねんきん定期便で自分がもらえるだろう推測の金額にため息をつきながら、
少ない収入(年金を含む)でそれなりに生きていかなければならないと考えています。
何とかやっていくしかありません。
退職年齢になっても、いられるなら再雇用をお願いするとか、パートを捜すとか、
仕事を見つけなければなりません。
日常生活ではガスや電気などの光熱水費の節約は言うまでもなく、外食など以ての外。
車を手放して、趣味も…と思いますが、趣味を捨てて、家に引きこもっていて何が楽しいのだろうと思うのです。
老齢の女性が引きこもっていたら-何かすさまじい雰囲気が漂いませんか?
孤独死を心配して自治体のケースワーカーさんが日参してくれそうです。
それはともかく、少ない収入の中でも、自分が幸せと感じることは諦めたくないと思うのです。
ちょっとしたドライブ、旅行や書店巡り、優待日の映画鑑賞などなど。
できたら、同じ趣味をもつ仲間と知り合いたいし、一緒にカラオケを楽しんだり、
お茶ぐらいしたいというのが希望です。
そのために一番大切なのは、自分の健康です。
田舎暮らしには車が必須条件。
後期高齢者となり、免許返納を促されるまでは何とか更新し続けたいと思います。
そのためには視力も大切にしたいし、反射神経も衰えないようにしなければなりません。
足腰に不自由がないように、ロコモティブ運動も欠かせません。
そして何より、精神的な強さと明るさが必要だと思うのです。
かつかつの収入で生活していても、ささやかな幸せと満足を感じられること、
それが私の願う「老後」です。