現役生活をリタイアした老後の生活においては、資金面では年金収入に頼ることが多くなるはずです。
しかしこの年金だけで賄えるのかは、老後になる前のうちによく考えておく必要があります。
日本の年金制度の構造は、3階建てとも言われます。
1階が国民年金、2階が厚生年金もしくは共済年金、3階が企業年金にあたります。
全国民共通の国民年金から受給するのが老齢基礎年金、
2階部分から受給するのが老齢厚生年金もしくは退職共済年金、
3階部分から受給するのが企業年金になります。
老齢基礎年金は平成28年度は年額が780,100円であり、
老齢厚生年金・退職共済年金は厚生年金や共済年金の加入期間およびその間の給与額によります。
3階の企業年金は、現役中の職場が加入しているともらえるもので、
おおむね会社の規程や人事評価により受給額が決まります。
老齢厚生年金までもらえれば、単身者ではおおよそ年額100万円台、
夫婦のいる世帯であれば200万円台ぐらいになります。
ここまでもらえれば、生活水準によってはなんとか暮らしていけるかもしれませんが、
老齢基礎年金だけしかもらえないような状況では貯蓄の取り崩しが起きるほうがほとんどだと思います。
これを補う手段としては、下記のものが考えられます。
1:年金受給しながら働く
再雇用されたり、嘱託社員として働くことができれば、収入を補うことができます。
ただし、職場が社会保険に加入している場合は、現状では70歳までは厚生年金の負担が出てくることと、
1か月の給与+年金が65歳未満で概ね28万円超、
65歳以上では概ね47万円超では年金受給額が減らされるという制度になっています。
上記1は、老後になってからの対策ですが、その前の対策は下記のことが考えられます。
現役中、国民年金しか加入していない人を前提とします。
2:付加年金に加入
月額400円で、受給額は年額で加入月数×200円です。
30年加入で年額72,000円受け取れます。
3:国民年金基金に加入
地域型・職能型に分かれ、それぞれ地域と職業によって加入できる国民年金基金は異なります。
掛金は月額68,000円まで可能で、受給額は加入口数と加入月数、
また加入する国民年金基金に応じて決まります。
30年加入して月3万円程度納めれば(A型とII型)、
確定年金がもらえる10年間は年額85万円ぐらい、その後終身で50万円ぐらいが想定されます。
4:民間生命保険会社の個人年金保険を契約
これは厚生年金の加入者でも可能ですが、生命保険会社の個人年金保険もあります。
掛金は月額15,000円程度が平均的ですが、おおよそ払込総額の100~120%が年金としてもらえます。
月3万円で30年加入して概ね年額120万円程度(10年確定年金)もらえることが想定されます。
5:個人型確定拠出年金に加入
こちらも場合によっては厚生年金の加入者でも可能ですが、
確定拠出年金には、企業が掛金拠出する企業型だけでなく、個人で掛金を拠出する個人型もあります。
これは、運用の成果をご自身で負うことになり、
投資信託・定期預金・債券・外貨建て商品などの割合を選択して運用することになりますので、
投資の知識がない人にはお勧めしません。
以上、上記の補完的な年金保険の加入を検討されると良いでしょう。