老後の生活にどれくらいの資金が必要になるかは、
年をとるにしたがって、多くの人が考えることです。
退職すれば定期収入がなくなりますから、
その後の生活に必要なお金を計算して貯めておかないと心配になります。
よくインターネットなどでは、老後資金には1億円が必要になると言いますが、
本当に老後資金として1億円が必要?なのか疑問なところです。
人の生涯賃金がだいたい2億円から3億円だとすると、
その3分の1から2分の1を貯蓄することになりますが、
これは不可能といってよいでしょう。
この1億円というのは、夫婦2人が老後の生活に必要な資金の総額であって、
貯蓄が必要な資金ではありません。
しかも、かなりユトリのある生活で、平均寿命よりも長生きした場合の計算だと思われます。
60歳で退職して、90歳まで生きたと計算すると、老後の生活は30年です。
毎月30万円必要になるとすれば、年に360万円で、30年で1億0800万円となり、
老後資金が1億円必要となるわけです。
しかし、先ほどもいったように、これはかなりユトリがある計算です。
だいたい日本の3人以上の家庭の平均生活費が毎月30万円程度ですから、
老後の夫婦2人の生活費としては多過ぎます。
また、男性の平均寿命が退職後20年程度だとすると、
30年分の貯蓄も多過ぎといえるでしょう。
そして、年金収入もある筈ですから、貯蓄が必要な老後資金はもっと少なくなります。
あまり、インターネット上の情報を鵜呑みにして心配し過ぎるのも考えものです。