急速な高齢化が進んでいる日本。
労働力の確保と、働きたいシニアが増えてきたことから、
国は高齢者雇用安定法を改正し、
定年の引き上げ、継続雇用制度の導入、
高齢者の再就職の促進など、
高齢者の就業の機会の確保を進めています。
今勤めている会社が継続雇用を導入していて、
正社員として65歳まで働ける場合、引き続き厚生年金に加入することになります。
しかし、心配なのは給料と年金の合計額によって、
少ない老齢厚生年金がさらに減額されるということです。
これは、在職老齢年金という制度で、65歳未満では、
月給・過去1年間のボーナスの12分の1・1ヶ月当たりの年金の合計が
28万円以上になると、超えた額の半額が年金からカットされるというものです。
これを回避する方法があります。
年金カットの制度である在職老齢年金は、
厚生年金に加入している人が報酬を受ける場合にだけ適用されます。
つまり、年金をカットされずに働くには、単純に言えば、
厚生年金に加入しなければいいのです。
そうするには、パートとして正社員の4分の3未満に勤務を抑えれば、
加入の対象から外れることができるので、
勤務日数を抑えてパートや派遣で働くという道もあります。
ただし、厚生年金に加入しないことでのデメリットもあります。
まずは健康保険の問題。
厚生年金に入らないときには、自分で国民健康保険に加入することになります。
国民健康保険は前年の収入と家族構成によって保険料が決まりますので、
前年の収入が高いと国民健康保険のほうが高額になる場合もあります。
一方、厚生年金に加入する最大のメリットは、
自分自身の年金の加入期間が延びるので、それだけ受け取る年金が増えることです。