私の祖母(88歳)は、ただでさえ億劫な性格なのですが、
家族に説得され運動を日々の生活に組み込みました。
祖母の住む地域では、ゲートボールが以前はあったのですが、
する人が殆どいなくなり、ゲートボールの集まりは無くなってしまいました。
なので、それ以来、実質的には祖母は、運動からは遠ざかってしまいました。
外の空気に触れることは大切ですし、田舎ですので空気も綺麗です。
これは祖母ならではの特権だと思うのですが、そう祖母に言って理解してはもらえませんでした。
都会暮らしをしたことが無いのと、習慣を変えることには抵抗があるからなのでしょう
脚を使わな過ぎるせいで、脚が脆くなり、却って怪我をしてしまうことは避けたいですね。
そこで準備したのが、踏み台昇降用の台です。以前流行りましたね。
これはとても便利なもので、外の空気には触れませんが、家の中で簡単にできます。
祖母に勧めて、買ったところ、大変気に入った様子でした。
腰が曲がってしまっているので、何か掴みながら昇り降りをすることが不可欠です。
そこで、土間に踏み台を置き、床が高くなっているところに手を置きます。
ちょうどかがむようにして、昇り降りをゆっくりと繰り返します。
ワンセット200回が日課だそうです。
外用の靴を履いて行います。
また、踏み台無しでも出来る運動として、立ったり座ったりする運動もあります。
まず、これも外用の靴を履きます。
床が高くなっているところに座に座ります。ちょうど椅子のようですね。
そこから絶えず起立と着席を繰り返します。これも良い運動です。
この運動に慣れた後、祖母は少しだけ外に出ました
(家族が祖母の家にいるときのみです。1人だけでの外出は危険なところがありますので。
また、田舎で道も狭いので。)。
具体的な目標を設定することは、何事においても大切ですね。
祖母の場合は、「電柱から電柱の間」で、進んだ距離をカウントします。
「今日は、この電柱から歩き始める計算で、2本先まで歩いた。」と言います。
こういった、自分の中での目標意識は大切です。
メートルで距離を測るよりも、より目に見えて解りやすい距離の測り方があることに気付かされました。
それは電柱の本数でした。
とても単純なことですが、これが祖母にとっての、運動の時の重要な動機付けです。
家族は、カーナビに慣れ過ぎているせいか、メートルやキロメートルで、
どうしても距離を考えてしまいがちなのですね。
車を運転しない祖母ならではの発想だと思います。
高齢になってからの運動は、ただでさえ億劫でしょう。
ですが、踏み台から始めて、徐々に運動ができるようになったことは、とても健康的で嬉しい限りです。
皆さんも是非、もしも運動が億劫だと感じるときには、
この祖母の運動メニューを、参考になさってみて下さいね。