私の祖父母の生活

私の80代の祖父母は2人で仲良く暮らしていましたが、

祖父が病気で亡くなり祖母が一人で暮らすようになってから、生活は変わりました。

 

祖父が生きている時は、毎朝豪華な朝ごはんが食卓に並んでいました。

炊き立てのご飯、煮干しでだしを取った味噌汁、サラダ、漬物、納豆、ウインナーや卵などのおかず。

祖母が調理師であり、祖父が消化器系の病気にかかりがちだったことから食事は特に気を付けていたようです。

 

祖父はパソコンなどのガジェット類が大好きで、

自分のパソコンを持っておりゲームやインターネットをよく楽しんでいました。

年金生活だったので贅沢な暮らしではなかったものの、

私のiphoneを見て「それスマホだよね?見せて」と言い、

最近の機械を積極的に触り、すぐに使い方をマスターするような人でした。

 

祖母は高齢者向けの大学に通い、様々な人との交流を楽しんでいました。

人と話すことや趣味である切り絵で賞を取っていました。

そんな祖母の送り迎えはいつも祖父が行っており、

二人で協力しながら老後の生活を楽しく送っているようでした。

 

しかし5年前に祖父の持病であった大腸癌が悪化し、闘病生活が始まりました。

消化器系の病気になりがちだった祖父は入院経験が何度もあったこともあり、

今回は絶対に入院しない、と強く希望しました。

今思えば、自分の寿命が長くないことを悟り、

家族との時間を大切にしたいと考えたのではないかと思います。

 

2年ほどは薬物療法が効き、今までと変わりない生活ができていましたが、

急に体調が悪化し夜中に腹痛・下痢・嘔吐が続き、食事もとれず眠れない日が続きました。

祖母が付きっきりで介助し、ベッド上の生活になりながらもなんとか自宅で生活できているといった状態でした。

 

徐々に体調は悪化し、2年前に祖父は他界しました。

その後は祖母一人となり、近くに住んでいる叔父が週に一度買い物に連れて行くといった生活になりました。

 

祖父が亡くなってから、祖母の家に泊まっても以前のように豪華な朝ごはんは作らなくなりました。

「いつも一人だから、食べなくてもいいやと思って。材料もあんまり買わないの。

出来てるものを買ってきちゃうことばっかりだよ」と寂しそうに言います。

 

祖母は股関節を悪くして、杖をつかなければ歩けません。

それでもやっと歩いている状態です。

祖父が生きている時はリハビリに通っていたものの、

亡くなってからは「その気になれないよ」と言ってふさぎ込んでしまう日々が続きました。

 

祖父が亡くなって2年がたつと、少しずつ生活に慣れてきたのか、老人ホームに通うようになりました。

「話せる人が多くて楽しい。リハビリみたいなこともしてくれるから、足が楽になった」

と嬉しそうな表情も見られるようになりました。

中断していた、趣味である切り絵も老人ホームの仲間と一緒に行っているようです。

祖母の残りの人生がより豊かなものになるよう、この調子で交流が広がればと思っています。

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