今の高齢者は、お金持ちの人が多いです。
不動産をもち、預金、株式などの資産を蓄え、
さらに年金や貸家などの収入を得ている高齢者もいます。
このような高齢者の財産を狙う詐欺師や悪徳業者は、
様々な装いをこらして活動しており、高齢者の被害が後を絶ちません。
悪徳商人は、民事上、刑事上の責任を追及されていったんは姿を消しても、
また別の装いで現われてきます。
中には、同一人物が看板だけ掛け直して活動していることもあります。
悪徳商法から高齢者を守るには、
被害を未然に防ぐことが何よりも大切になります。
高齢者の財産は狙われている
現在、シルバー世代と呼ばれている人たちは、
戦中戦後の貧しい時代を必死で働いてきました。
子どもを育て上げ、親をみとったあとは、自分の老後のために、
無駄遣いをいましめ、こつこつと貯えてきた人たちです。
しかし、これで老後は万全だというだけの貯えをしても、ボケたり、体が不自由になってくると、
せっかくの財産を、自分のために使うことができなくなります。
これまでは、老後のために備えるということは、
年をとっても経済的に困らないようにお金を蓄えておく、という意味でした。
万が一、体が不自由になっても、子どもがいるから何とかしてくれると考えていた人が大半でしょう。
しかし、親孝行自体が希薄になってきている現代、
親子関係や老親扶養の考え方も昔とは大きく変わってきています。
子どもは、親の財産であっても、いざという時には、
親のためにはなかなか使ってくれないのが現実です。
一方、子どものいない高齢者の場合は、
認知症になったりすると、今までほとんど音信のなかった兄弟が
突然に現われて、あれこれ世話を焼き始めます。
その場合でも、本人の生活の快適さや豊かさを保つことはそっちのけで、
いかに財産を使わないで済ませるかに腐心することがよくあります。
さらには高齢者が悪徳商法や訪問販売によって被害を受ける事件が後を絶ちません。
特に狙われやすいのは一人暮らしの高齢者です。
悪徳商人は、高齢者が話し相手に飢えていることや、
病気やボケに対して強い不安感を抱いていることにつけこんで、必要もない物を高く売り付けたりします。
また、高齢者が将来の生活や税金などについて抱いている不安をあおり、
確実で儲けの大きい取引であるかのように錯覚させて、詐欺的商法に誘い込んだりもします。
このように、高齢者は、子どもや兄弟、親族、結婚を餌に近づく異性、
そして悪徳商人などに財産を狙われているのです。